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【失敗しない4つの条件】レコードプレーヤー選び方完全ガイド

レコードプレーヤーおすすめ


レコードプレーヤーは機種によって機能や性能の違いも多く、初めての方にとっては選ぶのが難しく感じるかもしれません。

そこで、この記事では、オーディオメーカーに勤務していた経験をもつ筆者が、初心者におすすめのレコードプレーヤーの選び方おすすめ機種についてご紹介します。

ずばり、初めてのレコードプレーヤー選びで失敗しないための4つの条件は…

それぞれについて、詳しく解説していきます。




その1:フォノイコライザー内蔵にすべし

初めてレコードプレーヤーを買う方は、必ず「フォノイコライザー内蔵」と書いてあるものを選びましょう。

フォノイコライザーとは、レコード盤の溝から読み取った音を増幅しながら、本来の音に復元する機能を持ちます。
レコードを再生する上で必須の機能です。
(もっと詳しく知りたい方は「RIAAカーブ」で検索してみてください)

フォノイコライザーが内蔵されていないプレーヤーの場合、別でフォノイコライザーを用意するか、アンプ側にフォノイコライザーが搭載されていなければならず、コンポやアンプに直接つなぐことができません。

フォノイコライザーを単体で購入すればOKですが、比較的アナログ玄人向けの機材のため価格も高いものが多く、出費は跳ね上がります。
また、フォノイコライザーが内蔵されたアンプもありますが、こちらも高価な傾向にあります。

フォノイコライザーが内蔵されているかどうかは、
レコードプレーヤーの「仕様」欄に書いてあることがほとんどです。

入門機のプレーヤーには基本的には搭載されていますが、念の為購入前に必ず確認しましょう。

フォノイコライザーをON/OFFできるものも

フォノイコライザーが搭載されているものの中には、内蔵フォノイコライザーをONにするか、OFF(フォノイコライザーを通さずに音を出力)にするか選ぶことができる機種も多くあります。

左:SONY PS-HX500 、右:TEAC TN-400BT-SE

フォノイコライザーON/OFFという表記もあれば、PHONE/LINETHRU/ONという表記もありますが、どれも意味は同じです。

今後機材をレベルアップして、アンプ側のフォノイコライザーを使用するときや、外付けのフォノイコライザーを導入しようと思ったときにも、内蔵フォノイコライザーをON/OFFできる機種であればそのまま使い続けることができますよ。





その2:拡張性の高いユニバーサルアームにすべし

レコードプレーヤーには、「ユニバーサルアーム」と記載があるものを見かけます。
ユニバーサルアームとは、「ヘッドシェルを交換できる、取り外すことができる」という意味です。

カートリッジやレコード針を交換するほうが一般的ですが、ヘッドシェルごと交換することができる製品も存在します。
中価格帯以降(3、4万円以上)のプレーヤーに多く、ヘッドシェルを交換すると大きく音が変わります。

また、カートリッジを交換する際、ヘッドシェルの内部に取り付けられた4本のケーブルを繋ぎ直す必要もあります。
ヘッドシェルを取り外すことができると、カートリッジ交換の作業もとても簡単にできますよ。


一方、ヘッドシェルがアームに固定されているのが一体型と呼ばれるものです。
安価なプレーヤーに多く存在し、針先のみを交換できるようになっていることが多いです。


レコード針についてもっと詳しく知りたい方はこちら!



どちらがおすすめ?

とにかく安く、手軽にはじめたい方は一体型のアームが搭載された機種。
少しでもアナログ沼にハマる可能性がある方は絶対にユニバーサルアームが搭載された機種を選びましょう。

アナログレコードの楽しみの一つは、ヘッドシェルやカートリッジの交換による音の違いを楽しむことや、それらの組み合わせを考えることにあります。
アナログオーディオは、前述したようなヘッドシェルやカートリッジだけでなく、アンプやスピーカーなどもいろいろと入れ替えて試したくなるものです。このときに持っているものが一体型アームのレコードプレーヤーだと、オーディオ環境のアップグレードにかなりの金額がかかってしまいます。

将来アップグレードしたいとなった場合に備えて、拡張性の高いユニバーサルアームの機種を選んでおくことをおすすめします。





その3:手軽に楽しみたい方はBluetooth対応機種にすべし


近年では、Bluetoothに対応したレコードプレーヤーが多数存在します。
音が悪いと言われがちだったBluetoothですが、技術が進歩して使いやすさと高い音質を両立するようになっています。

Bluetooth対応機種を選べば、お手持ちのBluetoothスピーカー、ワイヤレスイヤホン/ヘッドホンとケーブルを繋がずに接続することができます。

Bluetoothのバージョンにもよりますが、遮蔽物がなければ10m程度先まで届くと言われています。
電波に干渉する電子レンジや、壁などの影響で実質10mも飛ばないことが多いですが、隣の部屋くらいであれば問題なく届くでしょう。

防水のBluetoothスピーカーでお風呂に入りながらアナログレコードを聴いたり、深夜でもワイヤレスヘッドホンで一人でレコードを楽しんだりと、夢が広がりますね。

大きな音を出せない環境にいる方や、深夜にレコードを楽しむことが多い方、また設置場所を広く取れない方はBluetooth対応機種を選んでおけば間違いありません。

アナログオーディオを楽しむには、アンプやスピーカー、コンポ、さらには各種ケーブルなどの機材を揃える必要があります。まずは予算をかけずにレコードを楽しんでみたいという方も、Bluetooth対応機種を選びましょう。


Bluetooth搭載のレコードプレーヤーおすすめ機種をまとめています!





その4:ベルトドライブ、ダイレクトドライブは好みで選んでOK!

レコードプレーヤーには、レコード盤を回転させる仕組みが2種類あります。

ベルトドライブ方式

ベルトドライブは現代においては最もポピュラーな回転方式です。
プラッター(レコード盤を置く円盤のこと)に1周するようにゴムベルトをかけ、さらにそれをモーターの軸に引っ掛けるようにしてつなぎます。

ベルトドライブのメリット
・ベルトがモーターの振動を吸収するため、滑らかな回転が得られる
・シンプルな構造のため設計が簡単で、製造コストが抑えられ安価で販売できる

ベルトドライブのデメリット
・スイッチを入れてから回転がベルトに伝わるまで時間がかかる(音の立ち上がりが悪い
回転ムラがある
・使っていくうちにベルトが伸びてくるため、定期的な交換が必要

ベルトは、使用頻度や環境にもよりますが、3年程度で買い替えることをおすすめします

ベルトの内掛け・外掛け
ベルトドライブは、内掛けタイプがポピュラーですが、外掛けタイプも存在します。

内掛けタイプではプラッター(レコード盤を乗せる円盤)の内側にゴムベルトをかけます。モーターはプラッターで隠れる箇所についており、レコードの再生中は見えません。すっきりした外観になりますので見栄えを重視する方におすすめ。

外掛けタイプではプラッターの外周に
ぐるっとゴムベルトをかけます。
モーターはプラッターから少し離れた箇所についており、ベルトが回っている様子を見ることができます。視覚的にもレコードを楽しみたい方におすすめ。
(写真:TEAC TN-3B)

回転制御装置
ベルトドライブ方式の中〜高価格帯の機種になると、回転制御装置が搭載された機種も存在します。
プラッターの下にセンサーがついており、回転数を常時モニタリング。正しい回転数となるようモーターを調整してくれます。




ダイレクトドライブ方式

ダイレクトドライブは、名前の通りモーターの軸に回転機構を取り付け、モーターとプラッターが同じ速度で回転するシンプルな回転方式です。

ダイレクトドライブのメリット
・回転ムラが少なく、回転精度が良い
ベルト交換の手間がなく、シンプルな作りのため故障も少ない

ダイレクトドライブのデメリット
・モーターの軸がプラッターに直接繋がっているため、振動の対策が難しい
 (正しく対策できなければノイズの原因になることも。)
・ダイレクトドライブのモーターを製造しているメーカーが少なく、高価な傾向にある



どちらが初心者におすすめ?

ベルトドライブとダイレクトドライブ、どちらにも魅力があり、デメリットもあります。
回転方式については好みで選んで問題ありません。
初めてレコードプレーヤーを買う方は、安価な製品に多いベルトドライブをまず手に取ることが多いでしょう。



はじめての1台におすすめのレコードプレーヤー

以上を踏まえて、筆者がおすすめしたいレコードプレーヤーをご紹介します。

Audio-Technica AT-LP60XBT

Audio-Technicaの大定番機種「AT-LP60X」にBluetooth機能が搭載されたモデル、
「AT-LP60XBT」ベルトドライブ方式フォノイコライザー内蔵のプレーヤーです。
ユニバーサルアームではないので、ヘッドシェルの交換はできません。針が劣化してきたときには、針先のみを交換することとなります。

AT-LP60XBTはフルオートのプレーヤーで、スタートボタンを押すだけでレコード盤が回りはじめ、針を自動で落としてくれます。再生が終わったあとは自動で停止しますので、放置してしまっても針やレコード盤を傷つけずに済みますよ。

レコードプレーヤーとしてはかなりコンパクトなモデルなので、置き場所を広く取れない方にもおすすめ。

TEAC TN-280BT

TEAC「TN-280BT」は2万円台と手に取りやすい価格で、Bluetooth対応のレコードプレーヤーです。
ベルトドライブ方式で、フォノイコライザーを内蔵しています。
エントリークラスのプレーヤーでありながら、本格的なアームが搭載されており、ヘッドシェルも交換できる仕様となっています。

針圧調整が必要なマニュアルタイプなので、じっくりとアナログ音楽を楽しみたい方におすすめ。



Rega Planar1 mk2

Rega「Planar1 mk2」は、イングランドのオーディオブランドRegaが入門機として出したレコードプレーヤー。生産もイングランドで行っており、日本では完実電気が代理店として販売しています。近年アナログオーディオ界隈でも注目されているブランドです。

ベルトドライブ方式で、ヘッドシェルの交換は不可
カウンターウェイト(トーンアームの重り)がついているマニュアルのプレーヤーではありますが、針圧調整が不要という珍しい仕様。

せっかく買うなら最初の1台でも良いものを選びたい、人と違うものが欲しいという方におすすめです。ホワイト、ウォルナットのカラーもあります。ただし、ヘッドシェルは交換できませんので、音の違いを楽しみたい場合はレコード針を交換することとなります。
東日本用の60Hz、西日本用の50Hzとラインナップがありますので、購入する際は注意してください。



まとめ

この記事では、レコードプレーヤーを選ぶ際に考慮すべきポイントを4つご紹介しました。

初心者のためのレコードプレーヤーの選び方

その1 フォノイコライザー内蔵にすべし
その2 ユニバーサルアームを選べばヘッドシェルの交換ができて拡張性◎
その3 手軽に聴きたいならBluetooth対応機種を選ぶべし

その4 ベルトドライブ・ダイレクトドライブは好みで選んでOK


色々とポイントを述べてきましたが、結局のところ一番大切なのはそのプレーヤーを買って満足できるかどうかです。
この通りでなくても、部屋に設置したときに満足できるのであれば、それを一番大切にすべきです。
実際のところ、筆者は最終的に「カッコ良いから」でプレーヤーを選びました。
レコードプレーヤーは耳だけでなく目で楽しむこともできるものです。仕様は多少妥協した部分もありますが、目に入るたびに「かっこいいな〜」と思うことができ、とても満足しています。

あなたが運命の1台に出会い、よりレコードを楽しめることを願っています。


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