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レコードはスピーカーで聴くものだと思っていませんか?
最近のレコードプレーヤーにはBluetooth機能を備えたモデルが増えており、必ずしもアンプやスピーカーを使用しなくても聴くことができるようになってきました。
レコードをヘッドホンで聴くことができれば、時間や場所を気にすることなく大きな音で楽しむことができます。
しかし、アナログの楽しみを最大限引き出すには、ヘッドホンの性能や特性に注意する必要があります。
本記事では、オーディオメーカーに勤務していた経験のある筆者が、レコード愛好家におすすめしたいワイヤレスヘッドホンをご紹介します!
ワイヤレスヘッドホン、どういう基準で選ぶべき?
Bluetoothはかつて音質が悪いとされ、オーディオ愛好家からは避けられる傾向がありましたが、近年の技術の進歩によりBluetoothデバイスの音質も大幅に向上しています。
レコードを楽しむためのワイヤレスヘッドホン選びには、重要なポイントが6つあります。
ワイヤレスヘッドホンを選ぶポイント
❶ 密閉型か、開放型か
❷ オーバーイヤーか、オンイヤーか
❸ ノイズキャンセリング機能は必要か
❹ バッテリーの持続時間
❺ Bluetoothのバージョン
❻ Bluetoothのコーデック
それぞれについて詳しく解説していきます。
❶ 密閉型か、開放型か
ヘッドホンには、ハウジング(耳に当てるカップの部分)の形状に「密閉型」と「開放型」の2種類があります。
遮音性の違いだけでなく、音の傾向や、相性の良い音楽ジャンルも変わってきます。
密閉型
密閉型ヘッドホンは、ハウジングにスリットや穴がない外観をしています。
じっくりと音に集中したい方や、ロックやポップスなどのテンポの速い曲や低音が重要なジャンルを聴くときには、密閉型のほうが楽しく聴くことができるでしょう。
また、電車やカフェなどの公共の場でもワイヤレスヘッドホンを使いたい方も、密閉型を選んでおくのが良いですね。
開放型
開放型ヘッドホンは、ハウジングにスリットが入っていたり、小さな穴が空いています。
音の抜け・伸びが良く、高音域を気持ちよく聴くことができます。
女性ボーカルの楽曲や、クラシックを聴くときは、開放型のほうが楽しく聴くことができるでしょう。
開放型は音漏れする上に、外部の音もある程度聴こえてしまいますので、自分の部屋でのみ使用する方におすすめです。
❷ オーバーイヤーか、オンイヤーか
ヘッドホンのハウジングには、大きさによってオーバーイヤーとオンイヤーの2種類に分けられます。
音の傾向も違いますが、何より付け心地がかなり変わりますので、悩んでいる方は販売店で試着するのがおすすめです。
オーバーイヤー
オーバーイヤーは、耳全体を覆うようにハウジングが大きく作られています。
その分、大きなドライバー(音が出る部分)を搭載できるため、音の表現の幅が広がり、迫力のある音を楽しめます。
イヤーパッドは弾力がありふわふわとした素材のものが多く、疲れにくい装着感のものが多い傾向にあります。
メリットも多いオーバーイヤーですが、全体的に大きく重量もあります。ヘッドホンを持ち運びたい方や、軽さを重視したい方には向きません。
オンイヤー
オンイヤーは、耳の上に乗せるように使うためハウジングは小さく作られています。
携帯性に優れており、おしゃれに装着することができます。
ハウジングが小さいため、音の広がりという点ではオーバーイヤーに劣る傾向にあります。
❸ ノイズキャンセリング機能は必要か
最近はノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスヘッドホンが流行っていますね。
レコードを聴く環境ではノイズキャンセリングは必要ないと思う方が多いかもしれませんが、自宅が雑音が多い環境の方はノイズキャンセリング搭載機種がおすすめです。
最近のノイズキャンセリング機能は非常に性能が高いのですが、圧迫感を感じたり、外の音を完全にシャットアウトするのは怖いという意見も。
ON/OFF切り替えられる機種がほとんどですので、必要ないときにはOFFにしましょう。
❹ バッテリーの持続時間
レコードを長時間聴く方や、外に持ち歩いて使用する方は、バッテリーの持続時間も重視しましょう。
昨今のワイヤレスヘッドホンは、最大再生時間が20時間〜50時間程度のものが多いようです。
20時間〜30時間が平均的で、大容量バッテリーのものになると60時間再生可能という機種も。
また、急速充電に対応したワイヤレスヘッドホンもあります。
自宅でも通勤通学中にも聴くというハードな使い方をするなら急速充電対応機種も検討しましょう。
❺ Bluetoothのバージョン
Bluetooth Ver.4.2、Bluetooth Ver.5.0といった表記を見たことはありませんか?
これはBluetoothの規格の1つで、数字が増えるほど新しい機能が追加されていたり、通信速度や範囲の性能が高くなっています。
バージョン | 発表年 | 内容 |
Ver.4.0 | 2010年頃 | 省電力通信規格「BLE(Bluetooth Low Energy)」が導入された |
Ver.4.2 | 2014年頃 | データ転送速度とセキュリティの向上 |
Ver.5.0 | 2016年頃 | データ転送速度が2倍に向上、通信範囲が4倍に拡大 |
Ver.5.1 | 2019年頃 | 方向探知機能の搭載 |
Ver.5.2 | 2020年頃 | LE Audio機能(高音質、低遅延)の搭載 |
レコードプレーヤーは、ワイヤレスヘッドホンほど各メーカーの発売スパンが短くないため、市場にはVer.4.0やVer.4.2のBluetooth規格を採用した機種がまだ多く存在しています。
これからレコードプレーヤー、ワイヤレスヘッドホンを新たに購入する場合は、両方ともできるだけ新しいバージョンのものを選びましょう。
特に、レコードはリビングに置き、寝室でワイヤレスヘッドホンで聴く…というように部屋を跨いで使う場合には通信範囲が重要なため、できるだけ新しいバージョンの機種を選びましょう。
❻ Bluetoothのコーデック
Bluetoothのデバイスを選ぶ上で重要視される要素の1つが、コーデックです。
コーデックとは、Bluetoothの音声信号をデバイスに送るときの圧縮方式です。
音質・遅延の2つに大きく影響し、性能の良いコーデックほど高音質・低遅延で再生することができます。
昨今販売されているレコードプレーヤーではaptXやaptX HDが主流で、中〜高価格帯の機種になるとaptX Adaptiveが搭載されているものもあります。
コーデックについても、❺Bluetoothのバージョンで説明した内容と同様で、レコードプレーヤーとワイヤレスヘッドホンが同じコーデックに対応していなければ、そのコーデックで再生されません。
また、レコードプレーヤーの再生に使用するだけでなく、ワイヤレスヘッドホンでゲームをする方や映画を見る方は遅延が少ないコーデックに対応した機種を選びましょう。
シビアな反応速度が求められるゲーム(音ゲーや対戦ゲームなど)は特に遅延が命取りです。aptX LL、aptX Adaptive対応ヘッドホンを選ぶのがおすすめです。
↓ 筆者おすすめのBluetooth対応レコードプレーヤーはこちら! ↓
レコード再生に最適なおすすめのワイヤレスヘッドホン
【定番】SONY WH-1000XM5
ワイヤレスヘッドホンの定番として知られるSONYの「WH1000XM5」、価格comの人気売れ筋ランキングでは1位を獲得しています。
密閉型、オーバーイヤーのヘッドホンで、高性能なノイズキャンセリングが搭載されています。
Bluetooth Ver.5.2と新しい規格で、対応コーデックはSBC、AAC、LDACの3つ。
同じ価格帯のヘッドホンに比べ、再生周波数帯が4Hz~40kHzとかなり広いため、広い周波数帯で録音されているアナログレコードの再生にぴったりです。
低音から高音まで、レコードの音を忠実に再現できます。
ただ、レコードプレーヤーのBluetoothコーデックはSBCやaptXなどが多く、LDACに対応したレコードプレーヤーは現時点ではほとんど存在しません。
高音質で再生できるLDAC対応のヘッドホンですが、レコード再生時にはSBCのコーデックで再生されるため、コーデックにこだわる方は注意が必要です。
【定番】BOSE QuietComfort 45 headphones
BOSEの「QuietComfort 45 headphones」はオーバーイヤーで密閉型のワイヤレスヘッドホン。
BOSEのヘッドホンはノイズキャンセリングに定評があり、空調の音やPCファンが回る音といった日常では気にならないレベルのノイズまで除去できるという声も。各社からさまざまなノイズキャンセリングヘッドホンが出ていますが、性能では最強クラスと言えるでしょう。
スマホアプリをインストールすればイコライザー(音域ごとに音の調整ができる)を使用できるので、例えばロックを聴くときは低音を強めに、クラシックを聴くときは高音を多めにミックスするといった楽しみ方ができるのも良いところ。
また、装着感が良いという声が多いのもこの製品の魅力。柔らかいイヤーパッドで長時間の再生も疲れにくいです。
Bluetoothのバージョンは5.1で、対応コーデックはSBCとAACのみとなっています。
【定番】Sennheiser MOMENTUM 4 Wireless
Sennheiser「MOMENTUM 4 Wireless」はオーバーイヤー・密閉型のヘッドホン。
ノイズキャンセリング・外音取り込みと便利な機能も搭載されています。
BluetoothのバージョンはVer.5.2、さらに高音質&安定した再生が望めるaptX Adaptiveに対応。コーデックはそのほかにも、SBC、AAC、aptXにも対応しています。
60時間再生可能というワイヤレスヘッドホンとしては最長クラスの充電持ち。
レコード再生に、通勤通学に、オンライン会議にと色々な使い方をする方も、これだけ長時間使えるヘッドホンであれば安心です。
【オンイヤー】audio-technica ATH-WS330BT
audio-technicaの「ATH-WS330BT」はオンイヤーのコンパクトなワイヤレスヘッドホン。
7,000円台と手にしやすい価格ながら、最大70時間再生が可能なバッテリー容量、167gの軽量ボディと使いやすさを重視した製品になっています。
オンイヤー専用にチューニングされた「SOLID BASS」のドライバーで、厚みのある重低音と、メリハリのある中音域が魅力。
Bluetoothのバージョンは5.0、コーデックはSBC、AACに対応しています。
GRADO GW100x
GRADOはニューヨークのオーディオブランドで、ヘッドホンやイヤホンのほかにも、レコードのカートリッジの製造を手掛けています。
GW100xは開放型のヘッドホン。GW100xの1世代前となるGW100は、世界初のオープン型(開放型)ワイヤレスヘッドホンとして有名です。
GRADOのヘッドホンはまるで耳にスピーカーをつけているようだと例えられることもあり、その生音を再現する能力は他に類をみません。
本体重量も軽いため、付け心地もやさしく疲れにくいのも特徴。
GW100からBluetoothモジュールも進化しており、Bluetoothのバージョンは5.2、対応コーデックはSBC、AAC、aptX Adaptiveとなっています。
【本格派におすすめ】HiFiMAN Deva Pro
HiFiMANはヘッドホンやハイエンドなオーディオ機器を手がけるアメリカのメーカーです(現在は中国に本社をかまえています)。
Deva Proは平面磁界駆動のヘッドホン。強力な磁石を使い、コイルを磁界の中で振動させることにより音を再生します。振動が素早く正確なため音の細かなニュアンスを拾うことができ、音場が広い・響きが良いとされています。ハイエンドヘッドホンはこの平面磁界型が採用されていることも多いです。
Deva Proは有線ヘッドホンにBluetoothのモジュールを取り付けられる構造になっています。
BluetoothのコーデックもSBC、AAC、aptX、aptX HD、LDACと幅広く対応。aptX HDに対応したレコードプレーヤーと接続すれば、かなり高音質で楽しむことができそうです。
折りたたむことはできませんし、連続再生時間も8時間とかなり短め。開放型なので自宅専用のヘッドホンです。
ハイエンドなレコードプレーヤーをお持ちの方や、平面磁界駆動のヘッドホンを試してみたい方におすすめです。
【モニターヘッドホン】AKG K371-BT-Y3
AKGの「K371-BT-Y3」はワイヤレスモニターヘッドホン。
モニターヘッドホンとは、スタジオでの使用や音楽制作を想定してつくられており、密閉性が高いことと、音の分離がよく1つ1つの音を明瞭に聞き分けられるようになっているのが特徴です。
(一方、自宅などで音楽を再生する用途でつくられたヘッドホンを「リスニング用」と呼んだりします。)
良いモニターヘッドホンで聴くと、今まで聞こえなかったような音が聞こえるということがあります。普段の音楽再生用途にもモニターヘッドホンを好んで使う方も多いです。また、密閉性が高く低音がしっかりと鳴るため、ゲームや映画に使う方も。
AKGのK371-BT-Y3は大きな50mmドライバーを採用しており、輪郭のある低音域が魅力。低反発素材のイヤーパッドが耳をすっぽりと覆うため、楽曲への没入感が得られます。
モニターヘッドホンの中でもかなりイヤーパッドに厚みがあるため、できれば試着してから買いたいですね。
Bluetooth Ver.5.0に対応、コーデックはSBC、AACとなっています。
まとめ
この記事ではワイヤレスヘッドホンの選び方とおすすめの機種をご紹介しました。
ワイヤレスヘッドホンを選ぶポイント
❶ 密閉型か、開放型か
❷ オーバーイヤーか、オンイヤーか
❸ ノイズキャンセリング機能は必要か
❹ バッテリーの持続時間
❺ Bluetoothのバージョン
❻ Bluetoothのコーデック
ワイヤレスヘッドホンの市場は多様であり、各社が次々に魅力的な製品を出し続けています。
選択肢がたくさんあり選ぶのが難しいですが、ぜひこの記事を参考にお気に入りのヘッドホンを見つけてみてください。
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