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レコードってどうやって音が出ているの?
みなさんは、レコード盤が音を再生する仕組みについてご存知でしょうか?
「レコード盤を針が読み取って…」という部分までは一般的に知られていますが、詳しい仕組みについては知らない方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、オーディオメーカーで働いていた経験を持つ筆者が、レコード盤の音が鳴る仕組みを徹底的に解説します。第1弾は、レコード盤の溝についての解説です!
レコードの仕組みを理解することで、アナログオーディオをより楽しむことができるようになりますよ。
アナログ?デジタル?
レコードに触れたことのない10代〜20代に、このメディアはアナログ・デジタルのどちらに該当する?と聞いてみてください。
レコード ・ CD ・ カセット ・ MD
オーディオマニアであるあなたは難なく回答するでしょうが、アナログオーディオに触れてこなかった若年層は戸惑うかもしれません。
レコードやカセットテープ、さらには古い形式のオープンリールなどは、アナログメディアに分類されます。アナログとは、音の波形がそのまま記録されているメディアのことを指します。
つまり、音楽の波形が直接的に物理的な形で刻まれているのです。
一方、CDやMD、スマートホンは、デジタルメディアとして知られています。これらのメディアでは、音の波形が読み取られて0と1のデジタルデータとして表現されます。つまり、音楽の波形が数値化され、デジタルデータとして扱われるのです。
レコード盤の”溝”
まず、レコード盤には、音楽の波形が微細な溝として刻まれています。音楽が進むのに合わせ、渦巻状になっています。この溝は、音楽の音の高低や強弱を表現したものです。
ルーペやスマートホンのカメラでレコード盤を拡大して見てみてください。大きな音の部分や、無音部分(曲間)は溝が変化しているのがわかるはずです。肉眼でもじっくり見れば確認できますよ。
針が1本なのになぜステレオ?
現在市場に出回っているレコード盤のほとんどが、おそらくステレオレコード(左、右から別々の音が聴こえる)です。
レコードの針は1本なのに、なぜステレオなのか疑問に思ったことはありませんか?
レコードの溝は、実は綺麗な直角(90度)のV字で刻まれており、レコード盤の内側の45度が左チャンネル、外側の45度が右チャンネルとなっているのです。
針は全体的に丸みを帯びた形をしているので、左右に針と溝が接する点が生まれ、V字の溝にすっぽりはまってしまうことなく左右両方の溝をなぞっていけるのです。
針の先端が丸くなっているとはいえ、摩擦によって針・レコード盤ともに劣化していきます。
また、盤面にほこりなどが溜まっていると針が正しい角度でレコード盤を読み取ることができず、ノイズの原因となります。
とても繊細な仕組みで動いていることを知ると、レコード盤のお手入れの大切さがわかりますね。
モノラルのレコード盤
モノラルのレコード盤も存在します。モノラルレコード盤には、左右の溝どちらも同じ波形が刻まれています。聴くときにはモノラル専用のカートリッジを用意する必要があります。
モノラルレコード盤は1950年代前後の時期に作られたものに多く存在します。
次第にステレオ盤が定番となっていきましたが、ビートルズは初期の頃はステレオ盤、モノラル盤の両方をリリースしていたようですよ。過渡期にはどちらで楽曲を楽しむか選べたようですね。
音が左右に振られないためドラムやベースの音が聞こえやすい、音にガツンと迫力があるといった理由でモノラル盤を好むマニアも少なくないようです。
振動が「信号」に変換される
「ピックアップ」という用語をご存知でしょうか?
これはギターやベースなどで使用される部品で、弦の振動を読み取る役割を果たします。
実は、レコード再生も同じ原理で行われています。
針が読み取った振動は、針が取り付けられているカートリッジと呼ばれる装置に伝わります。
カートリッジには、振動を電気信号に変換する役割があります。
カートリッジをひっくり返してみると、4本のカラフルなケーブルが見えるでしょう。これはそのカートリッジがステレオで音を取り出していることを示す証拠です。
アンプやスピーカーの音量を0にして、レコードに針を落として耳を近づけてみてください。
ほんのわずかですが、音が聞こえるはずです。これは増幅される前の「振動」による純粋な音です。
静かな場所で耳を傾けないと聞こえないほどの音量ですから、ピックアップやアンプがどのような役割を果たしているのかがよくわかるでしょう。
アンプで増幅し、スピーカーから音が出る
カートリッジが読み取った電気信号は、ケーブルを通してアンプに送られます。
アンプは電気信号を増幅し、大きな音に変換する装置です。
増幅された信号は、スピーカーを通じて音として再生されます。
まとめ
今回はレコード盤の溝について詳しく解説しました。微細な溝にあれだけの音楽情報が詰まっていると考えると、驚くべき技術が数十年以上前からあったのだと感心してしまいますね。
次回はLP盤、SP盤といったレコードの種類と回転数について解説します。
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